木造住宅の耐震構造

地震対策


■木造住宅の耐震構造

建物は、地震力と風圧による水平力に対して耐えられるだけの、
強い構造(躯体)を持っていなければいけません。
建築基準法では、想定される荷重に対してられるように、部材の
大きさや接合方法などを規定しています。

計算方法は、構造によって異なり、建築士が行わなければなりません。
鉄筋コンクリート造や鉄骨構造の構造計算は複雑なもので、
建築士の中でも構造を専門に勉強してないと、そのプログラムを
使いこなすことはできません。

専門家であっても、見ただけで安全かどうかを判断することは
できないので、構造審査を受け正しく計算されているかチェックされます。
チェック機関が十分に働かず、計算書の偽装がそのまま施工
されてしまったのが、耐震構造偽装事件です。

チェック機関が働かなかったことにも大きな問題がありましたが、
専門知識の十分な施工職人であれば、構造計算指示がおかしいことも、
すぐに見抜けたはずなので、建築士の単独犯だとは言い切れない
複雑な事件でした。

木造の場合、構造計算が簡単なので、特別に構造プログラムの勉強を
していない建築士でも、建築審査を通るくらいの計算をすることができます

しかし、計算上、安全である数値と、実際現場で行わ
れている施工には違いがあります。構造で大事なのは、計算で出てきた
数字をどれだけバランスよく配置できるかという技術力なのです。

施工現場を見て、明らかに「欠陥がある」と目視による判断できるのも、
木造の特徴です。

たとえば、ほとんどの木造住宅では(耐震壁の特許等もあるので)
柱と柱の間に、斜めに「筋違い」という材料を入れ、しっかりと
柱に補強金物で止めておかなければなりません。

「筋違い」は斜めに1本入れる場合と、×印のように2本入れる
場合があり、それぞれ剛性(耐力)が違います。

また、間隔が狭い柱の間に入れても、効果はなく、それらの詳しい
計算方法は建築基準法に示されています。
し先にも述べたように、建築基準法では、ただ単に数値の
計算方法が規定されているだけです。

X方向とY方向、階数別に、それぞれに計算で出た数の「筋違い」
をいれれば、確認申請は通過します。

建築士の勉強をするときに、まず簡単な長方形で、耐震の理論を
考えます。マッチ箱の四隅にバランスよく入れた場合、必要な筋違いを
1カ所に固めて配置した場合、を比べてみましょう。

一箇所に剛性を固めるということは、数値上安全と計算されていても、
実は非常にバランスが悪く、かえって危険な状態です。

注文住宅の場合、誠意ある建築士でしたら、住宅に必要な条件は
「安全」であることを説明し、耐震壁がどの位置にあるべきなのか
を説明します。なぜなら、耐震壁を設けるということはその場所に
開口部が取れないため、デザインに影響するからです。

工事現場では、設計図書に記された「筋違い」の位置を、現場の
都合によって変える場合があります。本来、設計図をかえてしまう
ことは違法ですが、強度上は問題ないため、あまり大きな問題と
なることはないようです。逆に、未熟な設計図面の筋違いの位置を
現場の熟練した職人が、安全を配慮して変更する場合もあります。

現場と設計者にうまく連携が取れていて、安全な住宅を作ろうと
している優良な例です。

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