欠陥住宅の種類

欠陥住宅


欠陥住宅は大きく次のように分類できます。

1・建築基準法等、関係法令に違反した建築物
2・契約内容に違反した建築物
3・建築基準法等、関係法令には違反していないが、明らかに
バランスを欠いた建築物


1・建築基準法等、関係法令に違反した建築物
建築基準法とは、昭和25年に制定された法律で、国民の生命・
健康及び財産の保護を図ることを目的とされています。

どんな建築物を建てる場合にも、基本的に関わるもので、
建物と敷地の関係性、用途、構造、設備など事細かに決められています。
この建築基準法、専門家でも読み砕くのは難しい法律で、専門的に
勉強し国家資格として認定されているものに、一級建築士、
二級建築士、施工管理技師などがあります。

耐震構造偽装事件において、一級建築士の存在と役割が一般的にも
注目を集めたのは、まだ記憶に新しいところではないでしょうか。

建築基準法違反は、トラブルが起こる起こらないにかかわらず、
違法です。建築物を作るときには、その着工するまえに設計図を
審査にださなければなりません。これを確認申請といいます。

ですから現実に建築基準法等、関係法令に違反した建築物が
存在するとすれば、悪意ある建築物ということになります。
施主の指示でない限り、100%業者に改善の義務があります。

住宅の場合に考えられる実例として、躯体の強度不足があります。
強度不足から、建築物の傾き、ひび割れなどの実害が出ている
トラブルが多くあります。

<原因>
・基礎の大きさ不足
・基礎の基礎の仕様が強度不足
・通し柱、ハリなどの構造体の本数不足
・筋違いの配置不足 など


2・契約内容に違反した建築物
建物トラブルで一番多いのは、じつはこのケースです。
結果的に言うと、施主と建築士(設計者)、施工者の間に十分な
意思疎通ができていないということです。

住宅を建てるのは、

施主…そこに住む人(資金を出す人)
建築士…設計する人、住まい方を企画提案する人 施工者…実際に造る人(工務店、大工など)

の三者によって進んでいきます。

住む人は、理想の家の形を抱いています。
しかし、具体的なイメージをいくら口で伝えたとしても、頭のなか
で考えていることを100%建築士に伝えきるのは不可能なことです。
ですから、現実に建っている建物(モデルハウスなど)や
カタログなどを使って、このようなイメージだということを伝えようとします。

逆に、建築士は、どれだけ自分の提案する建物を、的確にイメージ
としてとらえてもらえるように、精一杯伝える努力をします。
施主は素人なので、イメージをうまく表現する方法を持っていない
こともあります。建築士は、夢や希望までも上手に引き出した上で、
設計図面にするとても難しい仕事をおこなっているのです。

また、十分に施主と打ち合わせしたイメージを、忠実に再現するの
が施工者です。

住宅程度の図面だと、細部についての細かい図面は省略されること
がほとんどです。それだけに、施主の細かい注文は、できるだけ
事細かに建築士から施行者に伝えるように、正しい手段を取らないと、
見落とされることがあります。

図面に表すほどの事ではなく、
現場指示で十分にできる施工でも、意思疎通が上手くいかない為に
忘れてしまったというのは、よくある建築士のミスです。


<実例>
・打ち合わせの内装と違う(色、素材、形状など)
・押し入れの天袋がなかった
・玄関の段差が指示と違う
・扉の仕様が違う
・キッチンの長さが違う、
・キッチンの配置が違う … などなど


トラブルを少なくするためには、書面でやりとりをすること、また
その記録を保管しておくことが必要です。建築士の立場からすると
100%施主の意向に付き合って設計していては、ちぐはぐな建物
になるし、構造上無理のかかる建物になってしまう可能性もあります。

かといって、施主の立場からすると、一生に一度の大きな買い物。
どんなに小さな部分でも、思い通りの家を作りたいと思うものです。

建築士には不可能なことは不可能だと理解していただくための
十分な説明責任がありますし、逆に、できるだけ理想の家に近づける
ための工夫の提案も必要です。


3・建築基準法等、関係法令には違反していないが、明らかに
バランスを欠いた建築物

実際のところ、施主は建築基準法など専門的な法律の内容には
詳し くないことがほとんどです。

ですから「建築士」という資格が、国家資格という重責によって
成り立っているのです。建築士は、正しい建築基準法の解釈と、
施主に対する説明義務、よりよい暮らしを行ってもらうための
提案をする義務があります。

ところが、実際の法解釈と言うのは、様々な抜け道があるものです。
また、建築基準法に詳しくない施主の思惑を、すべて押し通して
しまっては、構造的に成り立たない場合もあります。

しかし、実際に資金を出す施主は建築家にとってお客様であるので
「施主の注文」をとるか「法の遵守」をとるのか、そのバランスを
とる為に、とてもむずかしい立場に立たされることになります。

また建築物とは、施主と建築士の他に施工者も関わってくるので、
まさに人間関係の総合的なバランスも取れていなければなりません。

法の遵守が住む人の安全性を守るうえで、第一の絶対条件なはず
なのに、姉歯事件でも世論に問われましたが、様々な圧力と言うのは、
しばしば建築士と施主との関係、建築士と施行者の関係を狂わせ、
欠陥住宅を作ってしまうことになってしまうのです。

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