建築基準法施工令

建築基準法施工令


建築基準法施工令


実際の建物に使われる部材の仕様や、設置方法などについて決めら
れています。各規定の全文を理解するには、相当の建築知識を持た
なければならず、そのため国家資格である建築士や、施工管理技師
が実務を行わなければならないことになっています。

主に木造の規定を抜粋し、欠陥住宅に関係すると思われる施行令を
解説します。


施工令第1条(用語の定義)


この政令において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該
各号に定めるところによる。

1・敷地
一の建築物又は用途上不可分の関係にある二以上の建築物のある
一団の土地をいう。

2・地階
床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の
天井の高さの三分の一以上のものをいう。

3・構造耐力上主要な部分
基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、
火打材その他これらに類するものをいう。)、床版、屋根版又は
横架材(はり、けたその他これらに類するものをいう。)で、建築
物の自重若しくは積載荷重、積雪、風圧、土圧若しくは水圧又は
地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものをいう。


◆解説
この「構造耐力上主要な部分」というのは、建築基準法上だけで
なくいろいろな条文にでてくる言葉です。説明の中では単に「躯体
部分」と言っている場合もあり、外的要因に対して完全に建物を
支える役割をする部分のことです。

瑕疵担保責任では、この「構造耐力上主要な部分」について責任
期間が問われており、対して仕上げ材などは、軽微な工事とされ、
使用期間によって劣化することも当然考えられる部材なので、瑕疵
担保の内容もあまり重要視されていません。


施行令第40条(木造の適用範囲)


この節(第3章、第3節)の規定は、木造の建築物又は木造と組積
造その他の構造とを併用する建築物の木造の構造部分に適用する。
ただし、茶室、あずまやその他これらに類する建築物又は延べ面積
が十平方メートル以内の物置、納屋その他これらに類する建築物に
ついては、適用しない。


◆解説
40条〜50条までは、木造建築物による構造強度の規定です。
住宅には、マンションに木造以外のものもありますが、一般人にも
理解できる範囲の住宅の予備知識として、木造住宅の主な構造強度
について簡単に説明します。


施行令第41条(木材)


構造耐力上主要な部分に使用する木材の品質は、節、腐れ、繊維の
傾斜、丸身等による耐力上の欠点がないものでなければならない。


◆解説
木材の品質に付いての規定です。ごく当たり前のことですが、建築
に使う木材は、欠点がない強いものでないといけません。


施行令第42条(土台及び基礎)


1・構造耐力上主要な部分である柱で最下階の部分に使用するもの
の下部には、土台を設けなければならない。

ただし、当該柱を基礎に緊結した場合又は平家建ての建築物で足固
めを使用した場合(地盤が軟弱な区域として特定行政庁が国土交通
大臣の定める基準に基づいて規則で指定する区域内においては、
当該柱を基礎に緊結した場合に限る。)においては、この限りでない。

2・土台は、基礎に緊結しなければならない。
ただし、前項ただし書の規定によつて指定した区域外における平家
建ての建築物で延べ面積が五十平方メートル以内のものについては
この限りでない。


◆解説
何事も物事の基礎がいちばん大切なように、建物も基礎がとても
大事です。土台と基礎が必ず設置し、必ず十分に緊結しておかなけ
ればなりません。

完成した建物の中で、目視しにくい箇所なので、手抜きによる欠陥
が非常に多い部分です。


施行令第43条(柱の小径)


1・構造耐力上主要な部分である柱の張り間方向及びけた行方向の
小径は、それぞれの方向でその柱に接着する土台、足固め、胴差、
はり、けたその他の構造耐力上主要な部分である横架材の相互間の
垂直距離に対して、次の表に掲げる割合以上のものでなければならない。

ただし、国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によって構造
耐力上安全であることが確かめられた場合においては、この限りで
ない。

2・地階を除く階数が二を超える建築物の一階の構造耐力上主要な
部分である柱の張り間方向及びけた行方向の小径は、13.5?pを
下回つてはならない。

ただし、当該柱と土台又は基礎及び当該柱とはり、けたその他の
横架材とをそれぞれボルト締その他これに類する構造方法により
緊結し、かつ、国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によつ
て構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、
この限りでない。

4・前三項の規定による柱の小径に基づいて算定した柱の所要断
面積の三分の一以上を欠き取る場合においては、その部分を補強
しなければならない。

5・階数が二以上の建築物におけるすみ柱又はこれに準ずる柱は、
通し柱としなければならない。
ただし、接合部を通し柱と同等以上の耐力を有するように補強した
場合においては、この限りでない。


◆解説
柱の太さが決められています。最低基準の断面積を満たし、高さに
対しても安全な太さでなければなりません。

製材所は、だいたい規格にあった寸法で材料を寸断するため、柱の
径不足という瑕疵はおこりにくい事例です。

それよりも、柱と土台、柱と梁を緊結する金物の設置不良、通し柱
の位置やバランスに注意しなければなりません。


施行令第44条(はり等の横架材)


はり、けたその他の横架材には、その中央部附近の下側に
耐力上支障のある欠込みをしてはならない。


◆解説
はり(梁)けた(桁)は、構造物の上部からの荷重を支えるための
水平材のことです。柱の上部つなぎ、屋根材の下地として、構造上
主要な部材です。水平材は、たわみ中央部が弱くなるので、加工
して欠損部分をつくることはできません。


施行令第45条(筋かい)


1・引張り力を負担する筋かいは、厚さ1.5?p以上で幅9?p以上
の木材又は径9mm以上の鉄筋を使用したものとしなければなら
ない。

2・圧縮力を負担する筋かいは、厚さ3?p以上で幅9?p以上の木材
を使用したものとしなければならない。

3・筋かいは、その端部を、柱とはりその他の横架材との仕口に
接近して、ボルト、かすがい、くぎその他の金物で緊結しなければ
ならない。

4・には、欠込みをしてはならない。
ただし、筋かいをたすき掛けにするためにやむを得ない場合におい
て、必要な補強を行なつたときは、この限りでない。


◆解説
筋かいに使用する部材の仕様について規定しています。
構造耐力上主要な部分のひとつで、とても重要な部材です。
木造住宅の躯体欠陥には、この筋かいの入れ忘れ、欠損、金物不足
バランスの悪さが非常に多く、建物の揺れ、ひび割れ、雨漏りなど
の被害を招く原因となります。


施行令第46条(構造耐力上必要な軸組等)


1・構造耐力上主要な部分である壁、柱及び横架材を木造とした
建築物にあつては、すべての方向の水平力に対して安全であるよう
に、各階の張り間方向及びけた行方向に、それぞれ壁を設け又は
筋かいを入れた軸組を釣合い良く配置しなければならない。

3 ・床組及び小屋ばり組の隅角には火打材を使用し、小屋組には
振れ止めを設けなければならない。
だだし、国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によつて構造
耐力上安全であることが確かめられた場合においては、この限りで
ない。


◆解説
水平にかかる力に対して、建物を補強する部材が筋かいですが、
筋かいのみでは不十分とされています。木造の建築物では、各階
の全ての方向の壁に対して、「筋かいを入れた壁(耐力壁)」を
バランスよく配置しなければなりません。

また垂直部材である壁に対して、水平部材にあたる床組や水平ばり
組の角は、火打ち材と呼ばれる木材や金物で柱に緊結しなければ
なりません。


施行令第47条(構造耐力上主要な部分である継手又は仕口)


1・構造耐力上主要な部分である継手又は仕口は、ボルト締、かす
がい打、込み栓打その他の国土交通大臣が定める構造方法により
その部分の存在応力を伝えるように緊結しなければならない。

この場合において、横架材の丈が大きいこと、柱と鉄骨の横架材と
が剛に接合していること等により柱に構造耐力上支障のある局部
応力が生ずるおそれがあるときは、当該柱を添木等によつて補強
しなければならない。

2・前項の規定によるボルト締には、ボルトの径に応じ有効な大き
さと厚さを有する座金を使用しなければならない。


◆解説
構造耐力上主要な部分(基礎、壁、柱、小屋組、土台、斜材、火打
材、横架材など)のつなぎ目を「継手」または「仕口」といい、
金物などにより、緊結しておかなければなりません。
また、ボルトを使用する場合も、その仕様が決められています。


施行令第49条(外壁内部等の防腐措置等)


1・木造の外壁のうち、鉄網モルタル塗その他軸組が腐りやすい
構造である部分の下地には、防水紙その他これに類するものを使用
しなければならない。

2・構造耐力上主要な部分である柱、筋かい及び土台のうち、地面
から一メートル以内の部分には、有効な防腐措置を講ずるとともに
必要に応じて、しろありその他の虫による害を防ぐための措置を
講じなければならない。


◆解説
地中から水分が上がってくると想定される部分(土間コンクリート
の下地)などには、防水処置を施さなければなりません。

また、水分による腐敗措置とともに、害虫被害のための措置も講じ
ておかなければなりません。新築住宅の場合、必ずシロアリ駆除の
薬剤が塗布されてから工事完了となりますが、その効果は10年
ほどなので、定期的なメンテナンスが必要となります。

瑕疵においては、この措置が十分でない物件に多く発生し、多くの
トラブル原因となっています。


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